2019年1月 栄養メモ
【テーマ】お餅の豆知識

いつ頃からお餅を食べていた

奈良時代に編集された『豊後国風土記(ぶんごのくにふどき)』という豊後国(ほぼ現在の大分県)の歴史や文物を記した風土記に、「餅の的」というお話があります。
豊後の国では水田を作って稲作を行っていました。余った米で大きな餅を作り、それを的にして矢で射ると、その餅は白い鳥になって飛んで行ってしまいました。その後、家は衰え、水田は荒れ果てた野になってしまったというお話です。白い餅は縁起のよい白鳥に連想されていて、神秘な霊を宿すものと考えられていました。餅は単なるおいしい食べ物ではなく、神が宿る特別な食べ物として敬われていたことがわかります。

お餅は正月の食べ物?

本来、お餅はハレの日に欠かせない食材でした。かつては暮らしの節目や儀礼の際に、もちをついて祝ったり、近隣の人々に配ったりしていました。
〇土用餅
  京都では暑さを乗り切るため、あんこで包んだお餅(あんころ餅)を食べて体力をつけると言われています。
〇亥の子餅
  西日本を中心に、「亥の月、亥の日、亥の刻に餅を食べれば無病息災である」と言われています。

丸餅と角餅

餅は丸が日本古来の形ですが、今は関西では丸い餅が使われ、関東では四角い餅が使われています。
江戸時代より、庶民は手で丸めるより、のし餅にして切り分ければ、一度にたくさんの餅が作れ、重ねて保存できます。江戸庶民の気風には、角餅の手軽さがあっていたのではないでしょうか。

どうしてお餅は膨らむの?

餅の成分はでんぷんからできています。焼くとでんぷんが餅の中にある水分を含んで、ねばりのあるやわらかいものになります。これがのびてゴムのようになります。また、餅の中の水分は、餅を焼くことで温められて水分が水蒸気になります。水は水蒸気になると体積が増え、餅の中に納まりきらず、風船のようにふくらみます。よくついた餅ほど、よく水分が入り込み、よく膨らむと言われています。

「せんべい」と「おかき」の違い

「せんべい」はごはんと同じうるち米からできており、「おかき」はお餅と同じもち米からできています。