2019年5月 栄養メモ
【テーマ】たけのこの雑学

たけのこの歴史

「古事記」にも登場するなど、古来から日本で食用にされていたたけのこですが、当時は自生種の真竹(マダケ)が食用にされていました。現在主に流通している孟宗竹(モウソウチク)は、1736年、薩摩藩主島津吉貴が中国から琉球に伝わっていたものを移植したのが日本に伝来した始まりといわれています。

たけのこはいつ竹になる?

軟らかくておいしいたけのこでいられるのは、土から出てわずかな期間です。土から頭を出すか出さないかの時が、一番の食べごろで、それ以上経過すると、たけのこは急に背を伸ばしながら、煮ても食べられないくらい身を硬くして、竹になります。一般に出回っている孟宗竹は、1日に約1メートルも伸びることがあります。

メンマの正体

ラーメンの具としてよく使われるメンマですが、実はたけのこの仲間の「麻竹(マチク)」という品種です。通常のたけのこは30㎝ほどのものを収穫するが、麻竹の場合は、1mから1m20㎝ほどに生長したものを収穫します。この麻竹を蒸して塩漬けし、乳酸発酵させたものがメンマです。乾燥させたものや水煮、味付けしたものが売られていますが、ほとんどが中国や台湾からの輸入品のようです。

たけのこの栄養

たけのこは食物繊維が豊富でヘルシーな食材です。エネルギーが低く、食べごたえがあるのでダイエット中や便秘の方におすすめです。
<たけのこの切り口にある白い粉って何!?>
たけのこの切り口に見られる白い粉は、チロシンと言い、うまみの素であるアミノ酸の一種です。根元よりも生長点のある先端部分の方が、うまみも栄養成分も多く含まれています。

たけのこのえぐ味

採れたてのたけのこにはえぐ味がないのですが、採ってから時間の経過とともにえぐ味がどんどん増えてきます。このえぐ味の原因物質は、シュウ酸とホモゲンチジン酸です。茹でる時に米ぬかを入れることにより、米ぬかに含まれるカルシウムが、シュウ酸を閉じ込め、不溶性のシュウ酸カルシウムに変化し、えぐ味を感じにくくなります。また、米ぬかの脂肪分やアミノ酸がたけのこの繊維質をやわらかくし、うまみ成分を増やしてくれます。

竹の花

真竹の花は120年に一度咲くと言われ、一斉に咲いた後は竹林ごと枯死してしまうため、昔の人は「竹の開花は不吉の前兆」と言われていました。