寒さが増してくると、橙色に熟れたみかんが店頭にたくさん並ぶようになります。みかんと同じミカン科の果物を柑橘類といい、様々な種類があります。

~みかんには健康を守る色素がたっぷり~

最近は1年中、国内外の様々な果物が売られていますが、日本人にとって冬の代表的な果物といえばみかんやりんごです。みかんは温州みかんともいう日本の特産品で、和歌山県、愛媛県、静岡県、長崎県など、西日本で多く栽培されています。皮を手で楽にむける手軽さと、やさしい香りや甘さが特徴です。
以前は、私たち日本人はみかんを今よりももっと食べていました。毎日何個も食べ続けて、手などの皮膚が黄色くなる人もよくいました。これはみかんに含まれる色素「β(ベータ)クリプトキサンチン」の影響によるもので、しばらくたてば元に戻ります。βクリプトキサンチンは体の中でビタミンAに変わり、鼻やのどの粘膜や皮膚の健康を保つ働きがあり、風邪予防に役立ちます。ほかの柑橘類にも含まれていますが、みかんには特に豊富に含まれています。

~みかんの白い筋~

みかんについている「白い筋」には名前があり、「維管束」と言います。この維管束には、ビタミンPのヘスペリジンという成分が多く含まれています。ビタミンPには、毛細血管を丈夫にする、血行を良くする、LDL(悪玉)コレステロールを減少させるなどの効果があるため、取らずに食べるほうが栄養価が高いといえます。

~冬ならでは柑橘類~

<きんかん>
果肉より皮がおいしく、そのまま食べるほか、砂糖漬けや甘露煮などにします。古くからせきやのどの痛みに効くと言われ、のど飴でもおなじみです。

<ゆず>
ゆずは酸味が強いのですが、独特の香りが高く、皮や果汁を料理やお菓子、調味料や飲み物などに使います。ゆずなどの柑橘果汁をしょうゆと混ぜると手作りのポン酢しょうゆもできます。また、昔から冬至(1年のうちでもっとも昼の時間が短い日。12/22頃)には、ゆずをお風呂に浮かべた「ゆず湯」に入ると、風邪をひかないと言われています。

~春先から出回る柑橘類~

春先から出回る柑橘類もたくさんあります。温州みかんに似ているポンカン、濃いオレンジ色の清見オレンジ、上部がボコっと盛り上がった不知火(しらぬい/甘味が特に強いものをデコポンという)、薄皮をむいて食べる伊予柑・はっさく・甘夏、白いわたも食べられる日向夏(ひゅうがなつ)、大きくて皮の厚い文旦など、形や大きさ、色や味も様々です。
また、グレープフルーツやオレンジ、レモンは、ほとんどが海外からの輸入品のため、1年中出回っています。