2020年5月 栄養メモ
【テーマ】端午の節句

~端午の節句は中国から伝わった風習~

中国ではその昔、旧暦の5月に病気が流行り、亡くなる方が多くいました。邪気払いとして菖蒲を家の軒先に吊るし、菖蒲の葉を浮かべた酒を飲んで身を清めたことが、端午の節句の由来とされています。
中国の端午の節句の風習は、奈良時代に日本に伝わり、発展・定着したと考えられています。「端午」とは、5月の最初の午(うま)の日のことを指します。「午(ご)」という文字の音と「五」の語呂合わせから、5月5日が端午の節句として親しまれるようになったといわれています。

~「菖蒲」と「尚武(しょうぶ)」の読みから男の子の節句に~

日本ではもともと端午の節句=女性の行事とされていたようです。しかし、武家時代になると「困難に立ち向かい、強く成長する」という意味の「尚武」と「菖蒲」の読みが同じことから、武家のあいだで縁起が良いといわれ始めました。次第に端午の節句=「男の子がたくましく成長するように願う行事」として定着したといわれています。

~こどもの日は昭和時代に制定された~

こどもの日は、法律で定められている国民の祝日です。内閣府は、こどもの日を「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」という祝日であると定めています。親は子どもの健やかな成長や幸せを願い、子どもは両親に感謝の気持ちをもつ日という意味が込められているそうです。

~こどもの日(端午の節句)には何をする?~

■兜や五月人形を飾る
男の子の初節句の際に、五月人形を購入して飾る家庭は多いものです。兜やよろい、金太郎飾りといった五月人形に限らず、 刀、破魔矢などを飾る場合もあるでしょう。端午の節句の飾り物には、男の子を病気や災いなどから守るという意味が込められています。
■こいのぼりを飾る
こいのぼりを飾る風習は江戸時代から始まりました。もともとは男の子の健康や成長、出世を願う意味を込めて真鯉だけが掲げられていましたが、昭和以降は家族の象徴となる緋鯉や子鯉なども加わるようになったとされています。
■ちまきや柏餅を食べる
柏餅は柏の葉が新芽が育つまで古い葉が落ちないという性質から「子どもが大きくなるまで父母は死なない」→「子孫繁栄」の意味が込められています。これは日本固有の風習で主に関東で親しまれています。ちまきは中国で厄除けの効果があるとされていることに由来します。こちらは関西で親しまれています。

~柏餅の中身の見分け方~

柏の葉の表は光沢がありサラサラしているが、裏側は艶がなくザラザラしている。
店によって違いはあるものの、葉の表を内側にして包んでいる柏餅の中身は小豆餡で、葉の表を外側にして包んでいる柏餅の中身は味噌餡というのが一般的だそうです。