土用の丑の日は、うなぎの受難の日。夏のこの日にうなぎを食べることがすっかり定着していますが、うなぎの旬は果たして夏なのでしょうか?
天然と養殖の旬の違いは?
~天然うなぎの旬~
天然うなぎは、5月から獲れ始め、冬眠に入る12月に漁が終了するため、旬は秋から冬にかけての時期になります。うなぎは冬眠中まったく餌をたべません。冬眠から目覚め8月ころからしだいに太り始め、再び冬眠を迎える前の11~12月が脂がのるピークとなるそうです。また、川や湖で数年かけて成長し、産卵のために川を下る「下りうなぎ」が美味とされています。
~養殖うなぎの旬~
うなぎは深海で誕生し、少しずつ大きくなると、やがて5cm程度のシラスウナギに成長します。シラスウナギは群れになって沿岸を目指し回遊します。これを捕獲して大人になるまで育てたものが養殖うなぎです。養殖うなぎは、土用の丑の日にうなぎを食べる習慣ができてから、この時期に出荷量が集中したそうです。この頃に合わせて成長を調整していることから、冬に脂がのる天然物と違い、養殖物では夏場であっても脂ののった状態になっています。このことから養殖うなぎの旬は夏であると言えます。
~うなぎに含まれる栄養素~
古くは「万葉集」の時代から強壮食材として食べられており、豊富で良質なたんぱく質、100gの蒲焼きで2日分が摂れるほどのビタミンA、ビタミンB1、B2、D、E、さらにはカルシウム、鉄分と体に必要な栄養素がぎっしり詰まっています。以前は多すぎると心配された脂質も、研究により不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)といった、コレステロールを抑えて血流をよくするような体に良い成分を多く含んでいることがわかりました。さらに近年では、皮の周囲に含まれるコラーゲンへの注目度も高まっており、血管を柔軟にし、ガンの予防にも効果があると考えられているそうです。うなぎは豊富な栄養素をバランスよく摂れる優れた食品といえます。
~うなぎの名産地~
第一位:鹿児島県
温暖な気候と、シラス台地がもたらす豊富な地下水がうなぎの養殖に最適であるとされています。
第二位:愛知県
ひつまぶしで有名な愛知県。愛知県の中でも約8割が西尾市一色町という自治体で養殖されています。