貝は、栄養もうま味も豊富で、大昔から世界各地で食べられています。たくさんの種類があり、姿形も味わいも様々です。

~貝のいろいろ~

〇二枚貝
二枚貝とは、その名の通り二枚の貝殻をもつ貝で、あさり・しじみ・はまぐり・ホタテ・牡蠣など、身近なものが多くあります。あさり・しじみは、昔から味噌汁の具としておなじみです。また、はまぐりは、お食い初めやひな祭りなどの祝い膳に吸い物としてよく使用されます。
〇巻貝
巻貝とは、らせん状になった貝殻をもつ貝で、サザエ・ばい貝・つぶ貝などがあります。また、アワビやとこぶしの貝殻は平らに見えますが、巻貝が変形した巻貝の仲間です。
〇貝の歴史
日本では縄文時代の頃から貝を食べていたことが、各地にある貝塚(食べた貝の殻を捨てた場所)からわかっています。貝塚は海外でも各地で見つかっていて、地球の地殻の動きや、当時の人類の生活を解明するためのかぎの1つになっています。
〇貝の養殖
ホタテ…水温の低い海の砂泥で育ち、中央の大きな貝柱にうま味と甘みがあります。総生産量の4割が養殖もので、天然物・養殖物どちらも、ほとんどが北海道で水揚げされています。
牡蠣…世界各地の海の沿岸の岩場で育ち、栄養が豊富で「海のミルク」とも呼ばれていて新鮮なものは生食もできます。国内での養殖量は、ダントツで広島県が1位となっています。瀬戸内海には多くの川からの栄養分が流れ込んでくるため、島が多い湾内からは栄養分が外洋に出て生きづらいため、牡蠣の養殖に適した海と言えます。

~あさりは海の干潟で、しじみは湖や川でとれる~

貝の多くは海で育ちます。おなじみのあさりは、海辺の潮の満ち引きで現れたり隠れたりする“干潟”の砂泥の中にすんでいます。春から初夏のころ、各地の干潟であさりなどをとる「潮干狩り」の風景がよく見られます。
しじみは湖や川でとれますが、一般によく売られている“やまとしじみ”は海水と淡水が混ざり合った薄い塩水の「汽水域」でとれます。

~貝には栄養もうま味もたっぷり~

貝には、貧血を防ぐビタミンB12や鉄分、骨を強くするカルシウムのほか、亜鉛、マグネシウムなど、栄養がたくさん含まれています。この栄養分は、特に二枚貝に豊富です。
また、コハク酸やグルタミン酸などのうまみもたっぷり含まれています。味噌汁やスープ、パスタソースなどは、貝から出るうま味のある汁も一緒に食べられます。牡蠣やホタテは、フライやグラタン、殻付きなら殻ごと網で焼くのもおいしい食べ方です。貝は鮮度が落ちやすいので、新鮮なうちに調理して食べることが大事です。
貝の味噌汁は、だしを入れなくても貝のうま味でおいしく作ることができます。貝は塩分が多いので、味付けは薄めにします。