~”食欲の秋”と呼ばれるワケ~

秋は9月から11月の3ヶ月間と短いものですが、この短期間に野山は、木の実・山野草の実・きのこなどのさまざまな食材に恵まれます。

~”食欲の秋”が体にもたらす役割~

夏は気温が高く体温を維持することは簡単ですが、秋になると気温が下がり、体温を維持するためにより多くのエネルギーが必要になります。そのため、秋には食欲が湧いてきます。また、でんぷん質や高たんぱくの食材に恵まれる秋にしっかり食べて、体エネルギーを貯え、寒い冬に備えなさいと自然の恵みは教えてくれているのです。

~秋の味覚~

秋にはサンマや鮭などの魚介類は海水の温度が下がって身が締まり、りんご・柿などの果物も豊富に収穫されます。また、秋・冬はあたたかい鍋物やおでんなどの煮込み料理に、ぴったりのきのこや根菜等が旬を迎えます。

≪サンマ≫
夏はオホーツク海、冬は沖縄近辺を回遊する一年魚で、千島列島沖、三陸沖、銚子沖と南下する間に脂を溜め込み、10月下旬には脂ののったおいしいサンマになります。サンマの脂にはコレステロールを減らし、脳血栓や動脈硬化、心筋梗塞、高血圧などに予防効果のある「DHA」や「EPA」といった不飽和脂肪酸がたっぷりと含まれています。さらに皮膚や粘膜を丈夫にするビタミンAの一種である「レチノール」が多く含まれており、風邪をひきやすくなるこれからの季節にのどの粘膜を守るなど大切な役割を果たします。
≪きのこ≫
きのこは、倒木や切り株などによく発生したことから「木の子」と言われるようになりました。日本には約5千種類のきのこが生息し、その内約120種が食用です。その中でも市中に出回っているものは15~20種類にすぎません。きのこに豊富に含まれる食物繊維は、コレステロール値を下げ、生活習慣病やガンの予防にも効果的とされています。
≪根菜類≫
根菜類とはさつまいも、じゃがいも、さといも、長いも、にんじん、ごぼう、れんこんなど、主に根を食用とする野菜のことで、いずれも秋から冬にかけて旬を迎えます。野菜は土の中に張った根が養分を吸収して育ちますが、根菜は土の中の養分を吸収・貯蔵している根の部分を食べるため特に栄養素が豊富です。体内でたんぱく質をエネルギーに替える働きのミネラルも豊富に含み、寒い季節に身体を温めるためにも積極的に食事に取り入れましょう。

~旬の食べ物 新米~

秋はお米の収穫時期です。お米は生鮮食品ですので新鮮な新米が美味しいとされています。新米は水分がしっかり含まれていて甘みがあります。
また、9月頃から収穫され12月末までに精米されたり販売されるお米を新米として表記して売ることが出来ます。日本人にとっては新米の美味しいご飯は最高のご馳走です。
美味しいご飯と旬のお料理を食べると幸せな気分になりますね。
新米で秋の味覚を使った、サンマごはんやきのこごはん、栗ごはんやさつま芋ごはん
など食べ方も様々あります。食欲の秋をますます促進させてしまう新米ですが、この
時期のおいしいお米を堪能しないのは損です。ぜひ、味わってみてください。