~柏餅(かしわもち)~

関東で端午の節句のスイーツと言えば、柏餅(かしわもち)。どのような由来や意味があるのでしょうか?

〇柏餅(かしわもち)とは?
柏餅は餅にあんを挟み、柏の葉で二つ折りに包んだ和菓子です。地域により多少の違いはありますが、あんはこしあん、つぶあん、みそあんの3種類があり、あんの種類によって餅の色や葉の包み方などを変えることがあります。

〇歴史と由来
江戸には跡継ぎを大事に考える武家が多かったことと、関西には柏の木があまり生息していなかったこともあり、端午の節句に柏餅を食べる習慣は関東を中心として東日本へと広がっていきました。男の子が元気に育ち、家系の継続と繁栄を願う意味が込められています。

〇柏の葉で包む理由
柏の葉で餅を包む理由はいくつかありますが、餅を蒸すときに柏の葉で包んで蒸すことで柏の葉の香りが移り、食べるときに香りも楽しむことができます。また、柏の葉にはオイゲノールという芳香成分が含まれており、抗菌作用や抗ウイルス作用、防虫作用があり、柏餅の保存性を高める効果があります。

~粽(ちまき)~

関東で粽(ちまき)と言えば、中華料理をイメージしますが、関東以北では端午の節句に食べる和菓子。どのような由来や意味があるのでしょうか?

〇粽(ちまき)とは?
粽は、餅を笹などの葉で包んだ円錐形の和菓子です。昔は「茅(ちがや)」の葉を使用していたことから「ちまき」と呼ばれるようになりました。保存に優れているため、戦国時代の武将たちの携帯食とされていました。このことから、端午の節句に男の子のお祝いをする慣習が生まれた江戸時代に、「武将のようにたくましく」という願いを込めてちまきを食べるようになったといわれています。

〇粽(ちまき)の由来
もともとは中国の詩人である屈原(くつげん)が5月5日に川に身を投げて亡くなったことを悲しんだ人々が、亡骸を魚に食べられないように、ちまきを川に投げ入れて供養したという故事が由来となっています。

〇地域によって異なる粽(ちまき)
<新潟県のちまき>
新潟県でちまきと言えば、餅を笹の葉で三角形に巻いたもの。
きなこをかけて食べる。
<鹿児島県のちまき>
「あくぬき」という餅菓子で、「ちまき」と呼ぶこともある。
もち米を灰汁につけ、竹の皮で包み、灰汁水で煮込んで作られる。