春を告げるフキノトウやタラの芽などの山菜が店頭に並ぶ時季になってきました。山菜というと、「アクが強くて独特の苦みがある」というイメージがあり、ちょっと苦手という人も少なくないですが、実はこの独特の風味にはすぐれた健康効果があると言われています。
~苦みの正体は?~
山菜の多くは若い芽でこれから成長していくために外敵から自分の身を守るために苦みやえぐみを備えています。この苦みやえぐみの正体はなんでしょう?それは、「ポリフェノール」です。ポリフェノールには強い抗酸化作用があり、活性酸素を抑えて、細胞の若返りを促し、精神的ストレスの改善にも効果が期待できるます。また、苦みは胃腸の働きを促す役割もあります。
~栄養成分とおすすめ調理法~
【タラの芽】・・・たんぱく質やアンチエイジングビタミンが豊富
βカロテンが多く、緑黄色野菜に区分。たんぱく質が山菜の中で最も高く、アンチエイジングのビタミンC・E、高血圧予防のカリウム、貧血予防の鉄・葉酸、骨粗鬆症予防のカルシウム・ビタミンK、エネルギー代謝のビタミンB1・B2、腸内環境を整える食物繊維など栄養価が高い
■オススメ調理法:天ぷら(アクがぬけてコクが増)/タラの芽味噌:粗みじんにし、甘辛みそ炒めに
【こごみ】βカロテンがたっぷりの緑黄色野菜
βカロテンやビタミンC・Kが豊富。アクが少ないため、さっとゆでる程度で食べられますので、調理によるビタミンCの損失が少なくてすみます。
■オススメ調理法:胡麻和え(さっとゆでて。ビタミンB1が入っていないので、胡麻は補給に最適)
【フキノトウ】・・・独特のほろ苦さの正体はクロロゲン酸
つぼみの花茎の部分なので、なるべくつぼみが開かないうちに賞味します。独特のほろ苦さの正体、クロロゲン酸は胃酸の分泌を促進する働きがあり、消化活動を高めてくれます。他、カルシウム、ビタミンE、食物繊維が多く、カルシウムの吸収を助けてくれるクエン酸と一緒に摂るとよいです。また、ビタミンDが豊富なマイタケと合わせるとカルシウムの体内吸収が高まります。
■オススメ調理法:天ぷらにレモンをかけて、お塩で(カルシウムの吸収が良くなる)
【ぜんまい】・・・油で炒めると栄養価アップ
アクが強いのですが、加熱に弱いので沸いたお湯でアク抜きします。パテント酸、葉酸が山菜の中でも豊富で、パテント酸は糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー代謝を高めてくれます。また、βカロテンやビタミンCも比較的多く含まれているので、アンチエイジング作用があります。
■オススメ調理法:炒め煮(ビタミンEが含まれていないので、油を使い、ビタミンEを補給)
【わらび】・・・お肌の健康維持に欠かせないビタミンB2量がダントツ
根からはでんぷんが取れ、わらび餅の原料になります。アクが強いので、重曹を使って、熱湯でしっかりアク抜きします。山菜の中でもダントツにビタミンB2が豊富です。ビタミンB2は活性酸素を消去する酵素を助ける働きや肌の健康を維持する働きがあります。
■オススメ調理法:マヨネーズ和え(ビタミンKが比較的少ないのでマヨネーズでビタミンKを補給)