2019年8月 栄養メモ
【テーマ】熱中症と脱水

熱中症

熱中症は、気温や湿度の高い環境(暑熱環境)下で、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなってしまったために現れるさまざまな症状の総称です。
梅雨明け前後をピークとして、時間や場所を選ばず、赤ちゃんから高齢者まで誰にでも起こる可能性があります。

症状

 <軽度>
  大量の発汗。めまいや立ちくらみ、生あくびなど、脱水症状が主。筋肉痛やこむら返りがみられることもある。

 <中等度>
  汗が出なくなり、体温が上昇する。頭痛や吐き気・嘔吐、だるさ、意識が遠のく(集中力や判断力の低下)。

 <重度>
  さらに体温が上昇し、けいれんや意識障害や昏睡などが起こる。さらには内臓の障害が起こり、命にかかわる状態になる。

応急処置

 ・日差しを避けて涼しい場所に運び、衣類を緩めて安静にさせる
 ・エアコンをつけたり、うちわや扇風機などで体に風を送り、冷やす
 ・太い血管の通っている首やわきの下、太ももの付け根を冷やす
 ・水分(経口補水液やスポーツドリンク)を少しずつ何度も飲ませる

脱水

脱水による危険

脱水は血管に負担のかかる状態です。体内の水分が不足すると、血液の濃縮度も増し、血栓がつくられやすい状態になります。
特に高血圧などで動脈硬化が進行している人では、脳卒中や心筋梗塞を起こす要因になる可能性があります。日頃から脱水を防ぐことが大切です。

水分の上手な取り方

 ・平常時の水分摂取に最適なのは、常温に近い温度の水
 ・1日の目安摂取量は1.5L程度
 ・ゆっくり少量(150~200mL)ずつ、7~8回にわけてこまめに飲む
 ・特に体から水分が失われやすい起床時、運動の前後、入浴の前後、就寝前での補給を忘れずに!

飲酒時は脱水になりやすい

アルコールには利尿作用があり、お酒を飲んだ以上に尿として水分が出て行ってしまいます。特にビールは利尿作用が強く、1Lのビールを飲むことで、1.1Lの水分を失うと言われています。
さらに夏の炎天下では、発汗で一層水分が失われる条件であるため、より脱水になりやすいので注意が必要です。